Vol.1 「みんなが集まるキッチン」 Y邸キッチンリフォーム
25年前にご主人が建て、家族の成長を共に見つめた家のリフォーム。
Yさんは50代の主婦。ご主人に先立たれ、今は娘さんとふたり暮らし。
雑貨好きで、暮らし好きのYさんと娘さんは、母娘というより姉妹のよう。
「私、家にいるのが大好きで、家のことをしていると退屈しないんです」
と初対面のときににこやかに語っていたYさん。
そのコトバのとおり、家の中はきちんと心地よく整理されていて とてもホームリーな雰囲気です。今回いいひはYさんのお宅の、 キッチンを中心としたリフォームをお手伝いをさせて頂きました。
リフォーム前のキッチン
施工前のキッチン
Yさんはお友達の多い方です。 きっとYさんの穏やかで人懐っこい笑顔に惹かれるのでしょう。 みんなが集まり食卓を囲むことが多いといいます。 お客様だからといって、ただ腰掛けているだけではない。そこは女性。
みんなでキッチンに入り料理を仕上げたり、後片付けをしたり、、、
それには、これまでのキッチンは手狭であるという問題点がありました。
リフォーム前は対面キッチンながらも、 下がり壁と高めのカウンターで仕切られていたため 閉塞感があり、キッチンとリビングが分断される形になっていたのです。
Yさんと一緒にどんなリフォームをしたいか、じっくり話し合う
まずリフォームを行うにあたって一番大切なことがお客様が何を求めているか、しっかり 聞き出し、話し合うことが大切だと考えています。できるか、できないかではなく、まず 本当は何を求めているのか?それをしっかり把握した段階で、今度は予算との相談を しながら考えていきます。また、お客様自身が漠然と思っていることを、具体的な例と 提案によってカタチづくっていきます。 そして上に挙げたようなYさんの希望が少しずつ浮かび上がってきました。
コンセプトの決定
そして今回のリフォームのコンセプトが決定しました。
メインになるキッチンはアイランド型。 下がり壁を撤去しリビングと一体感を持たせ誰でも気軽にキッチンに立てるようにする。
たくさんの人が出入りするYさん宅では、キッチンが閉鎖的な場所にならずみんなで楽しくお話しをしながら料理をするアイランド型キッチンがぴったりです。
しかしアイランド型キッチンにもデメリットはあります。
実際に毎日の生活として使うまで意外と分からないのが収納の不便です。またアイランド部分にコンロを置いた場合、油や臭いがリビング・ダイニングに拡散しやすいので、その対策も求められます。
今回のリフォームでは見た目の美しさはもちろんのことですが、 実際に住んで使いやすい、便利であるということも意識してリフォームに 取り組みました。
アイランド型キッチン
これまでの手持ち家具はそのまま活かすため、 どんなものにも馴染むホワイトのキッチンを採用しました。
アクセントとしての古びた風合いの木
ホームリーな温かさは、Yさん宅に欠かせないエッセンスです。
シンプルな中にも空間を温かく演出するため、古びた風合いの木をアクセントに使用しました。
換気
海外製品にも憧れ、全て手づくりのキッチンも検討したが、長い間のメンテナンスを考慮し、部品交換などの対応が早い国産キッチンメーカーを採用しました。
暖かな日の光がさす窓がキッチンを清潔に保つ
インテリアの一部となるスタイリッシュな換気
収納
脱デッドスペース:すぐに手が届くガスレンジ脇の収納
アイランド型はLDと一体になるため、適材適所に収納がないと片付きません。
その問題を解消するために、コンロ脇に調理器具、調味料を納める収納を造り付けました。
他にもゴミ箱を隠す、ワインホルダーを付ける、レンジを置くなど 既製品で間に合わないニーズを満足させる造り付け収納を設置をしました。
珪藻土(けいそうど)の壁
珪藻土(けいそうど)の壁がキッチンの匂いを吸収
温かみのある珪藻土の塗り壁は、見た目だけでなく機能性もある優れたモノです。
アイランド型キッチンであるがゆえの、調理中の臭いや湿気を吸収してくれる効果があります。
ワイングラス収納
ちょっとしたアイデアが暮らしをあたたかくする
リフォームの完成
珪藻土のポッテリとした塗り壁と木の使い方で、甘すぎない空間を目指しました。
デザインだけではなく、機能性にもこだわり、日々の暮らしの使い勝手を向上させる。
そして、居心地のよいカフェのような空間で、経年変化を楽しみながら Yさんが友人や家族と過ごすことができて、リフォームの完成です。