Vol.4 「中古マンションに新しく住まう形」 U邸リノベーション
改修後の室内
新築タワーマンション住まいを5年間経験した30代DINKS夫婦。
床暖房、24時間熱交換型換気システム、オートロック、、、最新の住宅設備が完備されているのに暮らし心地がイマイチ。。。憧れが満たされてしまったあと残ったのは、自然を感じられない地面から遠い暮らしへの不満でした。
自分達が求めているのはこんな暮らしじゃな~い!そう決断した夫婦が住み替えを決め、選んだ住まいとは。。。いいひスタイル中古マンションリノベーションの第一号。
今回のリノベーションは、いいひスタイルの原型となるコンセプトが詰まっています!
リノベーション BEFORE
リノベーション前の室内写真
物件の条件は、、、
- 駅に近いこと
- 1階専用庭付または、緑が眺められること
- 買い替えの売却差益内で、物件費用+リノベーション工事費がまかなえること
専用庭は無かったけれど、運河に面した中庭の緑がキモチの良い部屋!プラス、、売主さんが居住中に内覧した時、部屋の空気感が良かったことが、物件決定の要因となる。
暗めの水廻り、、部屋、、古びた内装、、空調がベランダ側にしか取り付かないこと。。。これらはリノベーション工事でいかようにもなる!!と判断して決めた物件。
間取り BEFORE AFTER
BEFORE間取り
1階しかも角部屋ではないという、、どちらかというと不動産的に見て価値の低い部屋。水廻りの暗さ、、、湿っぽさ、、、エアコンがベランダ側にしか取り付かない、、、段差だらけという悪条件。
AFTER間取り
2LDKの部屋をスケルトンにして、フルリノベーション。
東向きの部屋は、午前中お陽さまがさんさんと差し込む。明るい水廻り、風が通る水廻りにしたい!キッチン~洗面~浴室の動線をつなぎます。結果家事動線も良くなり大正解。
SOHO(自宅兼事務所)なので、ONとOFFの切り替えができること。猫が自由に室内で遊べること。ベランダ側と外廊下側の窓を開ければ、家中に風が抜けるようにプランニング。空調に頼り切らない心地よい風が通ります。
また転売も考慮し、物件価値も高めるように配慮。。先行配管を施し全室にエアコンも完備させ、ガス床暖房も導入させました。冬の主暖房は床暖房。寒~い冬の朝や夜は、補助的にエアコンを使いますが、ホンの十数分だけ。窓ガラスの結露もゼロ!
AFTER室内 -リビング-
~ リビング ~ 玄関方向をのぞむ
玄関方向をのぞむリノベーション後のリビング。
ダイニングテーブルの面している壁がウォークインクローゼットとの間仕切り壁。
天井との隙間を空け、高いところが好きな猫が遊べる場所とした。
IKEAの籐のキャットタワーを置き、そこから登れるようにしている。
AFTER 室内 -キッチン-
AFTER ~ キッチン ~
キッチンは、IKEAを採用。日本のシステムキッチンメーカーには無いテイストのモノをチョイスし、組合せを楽しむ。
IKEAのキッチンは、カウンターワークトップ、、扉、、把手、、シンク、、様々なパーツから選び自分でカスタマイズできる。バックカウンターには、オーク材のカウンターを使って、全体のインテリアと調和させてみている。
白いモザイクタイルをキッチン前カウンターに張ったのは、カフェ風インテリアを狙って・・・。
キッチンから洗面に続く入口は、ロールスクリーンで目隠しをする。コンパクトながらも、2WAY動線が確保できたキッチンは家事がスムーズ。
AFTER 室内 -和室-
AFTER ~ 和室 ~
玄関脇の洋室だったところを、客間としても使えるように、和室とした。リノベーション前の間取りでは水廻りだった箇所を玄関と一体の事務所スペースにして、この和室と続き間で使えるようにした。
外廊下に面した窓下に地袋収納を配置。珪藻土を内部まで塗り込んだおかげで、湿気、結露知らず。。。梅雨でも冬でもサラッと快適。
収納を増やすため、吊押入を設置。下部に間接照明を仕込み、狭くても居心地の良い空間になるように意図。
壁は珪藻土、床は縁なしの目積畳。吊押入等の扉は桐材を使用している。
AFTER 室内 -いろいろコラージュ-
AFTER 室内 いろいろコラージュ
夫婦ふたりと猫2匹が、普通にノビノビ暮らせる空間が完成!
梁下を利用して設置した吊戸棚の上の棚やニッチは、ディスプレイするのに楽しいスペース。ちょっとしたコトでも暮らしが豊かに彩られます。
新築マンションを売却しココを購入したとき、誰もが首をかしげる悪条件だった物件がとっても居心地良く生まれ変わりました!!
リノベーション概略
- 築25年SRC造中古マンションリノベーション工事
- 分譲マンション1階部分
- 家族:夫婦二人+猫二匹
仕上
- LD床材:チーク無垢板ソリッド(ガス温水床暖房入)
- 水廻り床材:リノリウム貼
- 事務所床材:300角タイル貼(ガス温水床暖房入)
- 壁:珪藻土塗(日本ケイソウド建材 エコクイーン)
- 天井:EP塗
- 建具・家具:桐材
- キッチン・洗面:IKEA
- 他住宅設備品:TOTO
あきらめない!!自分仕様の家をリノベーションで実現するまで
暮らしのスタイルは人それぞれ。何に価値観を見出すかによって、住まい方(一戸建てなのか?マンションなのか?街中?郊外?etc.)も変わってきます。デザイナーハウスでなくてもいいし、ピカピカの豪華設備も欲しくない。ただ普通に質感ある佇まいのシンプルな住まいが欲しいだけだったりしませんか?でも、いざ物件を探してみると、「コレでいいの?」と思わず首をかしげるような物件に数々遭遇することも多いのです。
だったら、自分でつくってしまおう!自分でもつくれる!!古いマンションをリノベーションすることで、自分仕様の居心地の良い住まいをカタチにできる。。。
動機から物件を見つけるまでの過程をまとめてみました。。。
住み替える理由~不動産屋さん的価値感は住みやすさにつながらない~
メリットだったバルコニーでの花火見物 でも、、、
東京駅からJRで約15分。
駅徒歩3分の好立地。
大手デベ分譲のタワーマンション。
不動産屋さん的な価値からなら、文句ない価値有物件。
全ての設備が整ったマンション住まいに満足していたのは仕事に忙殺されていたサラリーマン時代だけ。
自営業を始めSOHOになった途端に、そこでの暮らしに息苦しさを覚えていくようになります。
駅近ゆえの騒音の凄さは、窓を開けていられないほど。
窓を開け風を通すこと。
お陽さまの力で洗濯モノを干すこと。
そんなあたりまえのことが出来ない暮らしに対応するため、熱交換型24時間換気や浴室換気乾燥暖房機が完備されていましたが快適な暮らしとは言い難いもの。
暮らして5年目新築時にはピカピカだった、ビニールクロスの壁や、フローリングには経年による傷や汚れが目立ちます。花火が楽しめたり、夜景が楽しめたりするメリットをデメリットから差し引いても、どことなく老けてきたその住まいにこれ以上手をかけて愛でようとは思えなくなったのです。
物件探しをスタート~暮らしたいイメージ~
無料不動産情報誌でくまなく探す
生活エリアを大きく変えないこと。
専用庭があること。または緑に面していること。
出来れば駅近のマンションであること。
これを条件に物件探しをスタートさせました。
住宅情報タウンズやインターネットで物件探し。ほぼ毎週のように物件を内見。でも、ピンとこない。。。築年数の浅い物件では特にそう感じます。ヘンにゴージャスで狭苦しい共用部分。。。余計な付帯設備。。。どれも魅力が感じられません。それに出回っている物件はすでにリフォームを終えた物件が多く、そのお粗末さにガッカリすることも多かったのです。
きらびやかな装飾はいらない。ヘンにカッコつけたお洒落な部屋じゃなくていい。経年変化によって古びたものも本物だったら味わいになるそんな住まいが欲しい!物件めぐりをして強く心に決めたことでした。
物件がみつかる
既存の間取り(物件広告から抜粋)
また物件を探していて分かったのは、築年数20年~25年くらいのマンションは「人が住む」ことを意識したコンセプトのしっかりしたものが多いことでした。
築浅にこだわらず、管理体制の良好な中古マンションに狙いを定めなおしたのです。
その頃インターネットで見つけた女性営業マンばかりの不動産会社と出会います。 不動産屋さんによっては、見当違いのモノを紹介してくるなか、要望に近い物件を紹介してくれたのです。
駅近、リフォームされていない分価格も抑えめ、一人暮らしの女性の住んでいた部屋だったので間取りも特殊、でもスケルトンにしてリフォームするにはピッタリの物件だったのです。
間取りを考える~プランあれこれ①~
最初のプラン
契約前にざっとプランを練ることになりました。
管理組合で竣工図面を見せてもらっていたので、パイプシャフトの構造や配管によって水廻りの移動に制約があることを確認してのプランニング。色々工夫すれば何とか行けそうだ。。。契約に踏み切る判断材料になった間取りでした。
SOHO+住居(夫婦ふたり)の条件
- 事務所スペース(ふたり)
- 接客スペース(客間兼ねても可)
- 将来子供ができても対応できるように
- 仕事とプライベートの切替えができる
しかしこのプランではまた転売をするときにあまりにも特殊すぎるため資産価値があがらない危惧が浮上。
結果、、却下となりました。
間取りを考える~プランあれこれ②~
2番目のプラン
契約後、ファーストプランから一転。
より具体的に金額も意識します。
- 和室を事務所に隣接させ応接としても利用
- 和室に段差をつけ床下利用で収納力UP
- 外廊下に面しているため緩衝地帯としてインナーテラス的土間を設ける
- PS冷暖房を入れるため開放的に
- 本棚をたっぷり確保
- 風が抜けるように部屋を配置
- 水廻り動線に回遊性を持たせる
- 部屋それぞれ用途に合わせ収納を充実させる
以上のことを盛り込んだプランでしたが
押入がないことが不安、、、
土間は不要、、、必要、、
和室の段差不要では?
PS冷暖房は高い、、でも入れたい
夫婦内で意見が割れることに。。。