1帖トイレ_バリアフリーレイアウト考



家のことをほぼ毎日考え、

色んな家に住まう方々に会ってお話することも多い私達。

今回は、広さ1帖のトイレのレイアウトについて。。 (1帖:たたみ一枚分の広さ)

なぜ広さ1帖なのか?一番よく間取りに描かれる広さだから。



ホント些細なことですが、、、そのスタンダードなカタチの中で、、、

将来、バリアフリーの面で配慮しておいた方がいいことをお伝えしたいと思います。

(バリアフリートイレは、違う視点や工夫があるので、いずれUPしますね )



同じ1帖の広さでも、、縦長レイアウトか横長レイアウトかによって

使い勝手に大きな差が出てきます。

身体が元気な若いウチは、、

どんな間取りだって、住みこなせてしまいますが、、

どこか悪くなったとき、、家族に介助の必要が出た時に、、

チョットしたことが、使い勝手を実感させることになります。。



モチロン、将来を見越して、、

トイレスペースを広く確保出来れば良いのでしょうが、、、

限られたスペースのなかでは、なかなか難しいこともあります。



それに、将来を見越してつくると云って過剰なまでの配慮をしても、、、

全ての身体の状態に合うようにあらかじめ作っておくことは無理。

身体の状態、、例えば左麻痺と右麻痺では、

動線も違うし、、必要になる手摺の位置も違う。。

つくりこみすぎず、、将来対応しやすいようなカタチにしておくことが

若い世代の家づくりには、一番良い選択肢だと、おススメしています。



だったらどんなレイアウトだったらいいのか?

ザッとまとめてみました。

手描きの走り描き。。。見えにくくってゴメンナサイ!

(画像をクリックしていただくとPDFがひらき図面が大きく見えま~す)




1joutoire.jpg
会社員の頃、トイレのドアを交換するリフォームを築5年のお宅でしたことがあります。



付いていたドアは幅60㎝。

既製品のトイレ用ドアのサイズは何故かコレ。

人ひとりが入ることができればいいという発想なのでしょうか?

前々から、コレ!大きな疑問でした。



何故リフォームしたかというと、、、、

新築当時はお元気だったおとうさまが車イスをつかうようになってしまったため。

幸い、おひとりでトイレを使える体力も気力もあったのですが、、

幅60㎝の間口だと、、、車椅子での乗り入れが難しい!



この場合、、横長トイレだったのが幸い。。。

上記の横長レイアウトのように幅60㎝ドアを幅1間引戸に交換できたので

手摺も身体に合わせて設置。。自力でトイレで用を足せるようにできました。



トイレを、自力で使えること、、、そのことがどんなにいいことか。。

介助する人も大変ですが、、、、

介助される方もやっぱりキモチのうえで大変だと思うのです。。



昔、左半身麻痺の祖母が腰を打って、いよいよ普通のトイレを使えなくなった時

ポータブルトイレをベッド脇に置き使ったのですが、最初は抵抗があったよう。。

片付けるのを手伝っていましたが、、やはり子供。

祖母のキモチを思いやる行動をしていたか今思い返すと疑問。

ゴメンネ。。おばあちゃん。。



≪ バリアフリー目線で1帖トイレをつくる チェックリスト ≫



☑ 縦長レイアウトより横長レイアウトがBETTER



☑ 入口は幅75㎝以上を確保しておきたい(60㎝ドアNG!)



☑ 片引戸をつける場合、扉引込部分はトイレ側にしない

 ( 手摺などをつける場合が想定されるから )



☑ 縦長トイレの場合、どちらか一方の壁を壊せるようにつくる

 ( 将来必要になったとき、リフォームで対応できるように )



☑ 1階の部屋、または主寝室の収納(押入)1帖に、トイレ配管を予めする

 ( 将来必要になったとき、配管しておけばリフォームが楽 )





リストにも挙げましたが、、

寝室の押入をトイレにリフォームできるように、配管だけ予めしておくこと。。

(加齢すると、トイレが寝室の近くだととっても便利)

コレ抵抗ある方もいらっしゃると思いますが、

パウダールームとして捉えれば全然抵抗のないこと。

今のトイレはオシャレですしね。。

いざとなったときやっておいてよかったと思うハズ(笑)



等などバリアフリー観点の工夫は色々考えられますので、またそれはいずれ。。



色んな考え方があるし、、人によって捉え方は様々。

それに応じた分色んな間取りが考えられます。。。

でも、それは、今の状況しかフォーカスされていないモノかもしれない。

人は変わり続けるので、、将来を少しだけ見越した工夫をしてみると

動線良い家ができると思いま~す♪♪



でもでも!!最初からつくり込み過ぎる間取りも考えモノ。

そのバランスが難しいのですけどね(笑)。



新築は、イチからつくれるチャンス!

ならば、、そんなところにも目を配ってあげてみてくださいね。

とっても小ネタ。。。でも気付いていない方も多いのでは?

皆さんの家づくりのヒントになれば幸い。。間取りのヒントでした~♪(出美)


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  最後まで読んでいただき

  ありがとうございました!



≪ トイレ&バリアフリーネタの過去ブログも宜しかったらご参考にください♪ ≫

間取りのヒント 「家にトイレは2ヶ所必要?」 

間取りのヒント 「収納力UPとバリアフリーに効果ある工夫 廊下編」

間取りのヒント 「猫トイレの工夫」

Comments [2]

こんばんは~!(おはようございます!)

>とっても小ネタ。。。でも気付いていない方も多いのでは?
いえいえ…小ネタだなんて。
こういう事が、実は大事なんだと思います。

いいひさんのように、建物全体を受け持つ場合でも、
私のように、屋外を中心に受け持つ人間でも、
その場の見栄えだけを優先した、“いかにも一般の皆さんが釣られそう”な仕事は、
ある程度の経験があれば、簡単なんですよね。
(ちょっと表現が悪くて、ごめんなさい)

でも、我々はプロなんですから、一般の方には見えない部分まで、
考えて対処していなければ、いけないのだと思います。
特に、“数年後・・・”といった、時間軸に関する事柄。

いいひさんのように“小ネタ”を大切にしている方がいることを知ると、
「間違いじゃないんだな・・・」って、安心しますね。

WAWAWAガーデンハーモニー様

おはようございます!
読む時間まで考慮いただきありがとうございます~!

そうですね。。
確かに見栄え重視で簡単に作ろうと思うと出来てしまいます。
でも、完成したときだけじゃなく、、
5年、10年、、20年、、30年、、のスパンで
考えていくことが大切ですよね。

小ネタ(笑)
解っていらっしゃる方にはホント当たり前で、
「何云っちゃっているの今さら。。当たり前じゃない~」ってことかも。
でも気付けていない人には、ホント分からないこと。
些細な工夫で、もっといい家にするヒントにしていただければ何より嬉しいかな。。

コメントありがとうございました♪

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プロフィール

写真:牛尾 出美

一級建築士
牛尾 出美
(ウシオ イズミ)

1973年2月生まれ。暮らしと家が大好きな女性建築士。東京都江東区のリノベーションしたSOHOマンションで住宅設計事務所を運営。
シアワセを感じるコト&モノは、猫・カメラ・旅・花・珈琲・映画・読書♪

いいひ住まいの設計舎 一級建築士事務所

代表:
牛尾圭一、牛尾出美
資格:
一級建築士2名
構造設計一級建築士1名
一級施工管理技士1名
住所:
東京都江東区東陽2-3-1-106
電話:
03-3648-5711
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