これから設計を始めさせていただくお宅で、
スイス漆喰を採り入れる予定です。
内装用は、これまでも幾度か検討に挙がったことがありますが、、
今回は外装用を採用したいと考えています。
先月のジャパンホームショーのブース展示で、
実際に試し塗りをさせてもらったり、、その質感を体感。
先週には、営業の方が色々な資料を持って、説明に来てくださいました。
そもそも、漆喰とは?
≪ 漆喰のこと ≫
☑ 消石灰(が主成分、海藻やすさをつなぎに入れた塗り材料。
( つなぎに化学物質を使わなくてもいい )
( メーカーによっては、化学糊をつかうこともあるようです )
☑ 空気中の2酸化炭素と反応し、自然に固くなる性質を持っているため、
経年変化で硬さが増し、経年劣化が非常に少ない。
☑ 多孔質で結露対策に優れている。
☑ 耐火性・耐水性に優れている。
☑ 強いアルカリ性を持つため、カビが生えにくい。
上記のような特性が有。
また、スイス漆喰(カルクウォール)の特性を付け加えると、、
☑ つなぎに海藻をつかっていないので、日本漆喰とは、「白」の色が違う
→ より真っ白な壁が可能
( スイス漆喰は ブナセルロースファイバーとでんぷんが使われている )
☑ 遮熱効果がある
→ 多孔質という特性から、外壁に取り込まれた水蒸気の気化熱で
外壁の表面温度が下がるとのこと
( 真夏外壁表面温度:サイディングと比較して 15度も違うとか… )
( ↑ 去年の視察旅行、スイスクール街角での一枚。。)
( おそらく漆喰の壁だと思われます。。)
( ↑ズントー氏設計のルツイ邸 )
( 街では漆喰の外壁が多かったけれど、、郊外で新しい家は板張りが多い )
( よりサスティナブルな視点からの選択 )
さて、、話が脱線してしまいましたが、、
私が、この素材で、一番良いなぁと感じたのは、、
経年劣化が少ないこと。。。
スイス漆喰(カルクウォール)のパンレットで、
真っ白の外壁、、素焼きの瓦、、木製サッシをつかった、、
関西の、と、ある分譲住宅が紹介されていました。
そこは、、
白い外壁が、7年経った今でも変わらず美しく存在していて、
資産価値を高めているそうです。。
そう、家は建てて終わりではなく、建ててからが始まり。。
当たり前だけれど、手をかけてあげれば、長持ちする。。
長持ちするということは、、資産価値を高めることにもつながる。。
日本にも、そんな事例があるんですね☆
家は、必ず 「 メンテナンス 」をしていく 費用が 必要です。
外壁材を決める時、メリットデメリットをお施主さまと相談します。
塗り壁、、サイディング壁、、板壁、、
どんなメンテナンスが、、どの時期に、、必要になるか?
また、おおよその費用の目安も示させていただきます。
カルクウォールは、経年劣化が少ないと云う特性から、
将来、、メンテナンスの面において有利ですが、
最初にかかる費用が、他の外壁材に比べると、やはり高価です。
( 何に重きを置くか…価値観によって取捨選択が必要となります )
それに、家のカタチによっても、向き不向きがあります。
都内近郊だと土地の条件で、軒の出せない家も多く、
そんな場合には、雨仕舞いのことを重要視する必要があるので、
今回のような、、カルクウォールをお勧めする度胸はありません。。
カルクウォールをつかうなら、、、
それに合ったデザインを熟考して、ご提案していこう!
営業の方から、色んな本音も聞けて、、
当たり前ですが、そんな心持ちが出来ました☆
私が初めて個人住宅を手掛けさせていただいたお宅、、
Hさんの家も、14年目の今年、初めて外部のメンテナンス中。
外壁が乾式タイルだったため、主に屋根と防水の工事です。
当初、乾式タイルにかかった費用は大きかったですが、、
14年経った今でも、
外壁は当時の良さを残したまま、、時を重ねていてくれました。
( もちろん、乾式タイルならではのメンテも必要 )
家は、時間と共に確実に劣化します。。
家は、維持していくのにお金がかかります。。
デザインやロマンだけじゃ済まない。。正直、これが、実感。。
「劣化」 や それに対するメンテナンスと、
どう付き合っていけるかをイメージしておくこと。。
- 日々の自分の暮らしに、、
その家がホントに合っているかをジャッジする!-
↑ このことが本当に大切だと実感します。
新築時は、夢見がちだったり、、
予算調整で苦しかったり、、
色んなことがあって大変ですが、
施主さまとシッカリ共有して家づくりを進めたいと思いました。
ちなみに、イギリス人は、家のメンテナンスが得意な方が多い。
それは、単にDIY好きとかではなく、、
実に理にかなった行為だから。。
家を資産価値として見てくれない日本と違って、、
彼の地では、「家」はまさに「資産」。
お金を生みだしてくれるもの。。。
そう、、「古いものほど価値がある」 というお国柄だけではない、
実質的な不動産的価値観があるのです!
次回、、イギリス視察旅で見学してきた、
家づくりやリフォーム&リノベーションの際の生きた参考書のような、、
もの凄い規模で、、ものスゴクためになる、、
「 リノベーションセンター 」と、イギリス人の住宅観をご紹介します!!
( と、ブログさぼり気味だった自分を鼓舞して、つづく …笑 )
読んでくださった皆さまにとって、
素敵な ‘いいひ’ が訪れますよう、、感謝をこめて♪
家での日々の暮らしが心地よく、、
住む人の幸せに繋がります。。
心を込めて ♪ (出美)
最後まで読んでいただき ありがとうございました!!
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