リフォームに向き合う時の迷い_快適さと健康と家

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日々の暮らしを心地よくしたいと思うこと。

至極当たり前な、欲求。



↑ 写真は、トスカーナのレース編み。。

偶然、この夏トスカーナのアグリ巡りをした友人Kさんからのお土産をパチリ♪

( 旅行記、なかなか進まなくて…スミマセン 今日も違う記事です )



お客さまのご紹介で、リフォームの相談を請けることも多々あり、

今年もリフォームを数件手掛けさせていただいて、、思うこと、、

先日、リフォーム産業新聞さんの取材を受け、色々と感じたこと。。



あまりにも、頭の中でグルグルと想いが錯綜するので、

今日はそれを整理したくて、ブログを書かせていただくことにしました。。

長いつぶやきになってしまいますが、宜しかったらおつきあいくださいね(笑)。





リフォームというのは、既にあるものの不具合に対して、対処策を施すこと。



  古くなった設備の入替。

  汚れ剥がれたクロス壁などの内装美装。

  寒さ・暑さへの対策。

  段差の解消。

  等々。。



予算もあることなので、、、

全てを叶えるリフォームはナカナカ難しいのは重々承知。

けれど、せっかく手を入れるリフォームの時に、、

改めて今の住まいの不満が、なぜ起きていることなのか…

それを知ることって、とても大切なことだと感じます。



例えば、、どうして、こんなに結露がひどいのか…



原因のひとつに、建物自体の構造があるかもしれない。



 無断熱のRC(鉄筋コンクリート)躯体。

 シングルガラスのアルミサッシ。

 下手に気密の高い室内。



確かに、そう。。それが大きな原因。。

だから、エコポイントがあるうちに、弱点の開口部に内窓をつけて、

窓の断熱性を高めることも意味はあるのかもしれない。

しないよりした方が勿論マシ。。



でも、、、快適に住みたいと思って、工夫していること、、

例えば、ガスストーブで暖をとることだったり、

寒いからといって換気をしないことだったり、

それらが、結露に拍車をかけて、、

室内のカビ、内装材の劣化に繋がっていることを認識されていても、

仕方がないと思う方が多い。。。



色んな要素が影響し合って、住環境として現れること。

安易な対策だけで、問題が全解決しないことを認識していただくこと。



このことを、つくり手として、真摯に説明することがとても大切だと感じます。



そこを怠ると、良かれと思ってリフォームをしても、

部分的には良くなっても、全体の解決には繋がらず、、

仕方ないよね。。構造がそうなんだから、、と、

諦めてしまわれる結果になることもある。( とてもとても残念だけど… )



でも、、リフォームの内容を決める時、住み方で工夫することを加味して、

今出来るコトをやりましょうと一言添えてリフォームすることで、

施主さんの住まいに対しての意識も違うものになり、

住まいから得られる快適さを得てもらえることに繋がると思うのです。



入浴時のヒートショックで死亡事故が起こること。

それって、ホントはとてもショッキングなことですよね。



健康に気をつけて、食べるものに気をつかっても、

死をもひき起こしかねない住まいの欠点に目を向ける人は以外と少ない。。

健康に悪いことを、誰もしたがらないけれど、

こと、住まいが健康に影響を与えていることを、

重要視している方って少ないようとも感じます。



(  注; 人の健康は、色々な要素から成り立っているから、

      必ずしも、住環境=健康と結びつかないことは、

                 重々承知での、つぶやきです。。   )



建物の断熱改修を推進しているスイスも、

目先だけの付け焼刃で無駄なリフォームをさせないために、

きちんとしたリフォームの指針を指し示す能力のある

専門家の育成が重要視されていると聞きました。



イギリスでも、健康と家との関連性を国が認め、

健康に害を与える住まいの改修を国を挙げて取り組んでいることを

以前このブログでも紹介しました。



「住まい」 が人に及ぼす影響って多大だと思います。



前にも書いたことがありましたが、

「 日々の暮らしを愉しめたら、、人生の半分は幸せ 」

その日々の暮らしの大半を営むのが、「住まい」なわけでなので…

住まいでの暮らしが快適で愉しめたら、、

人生の半分は幸せなんじゃないかって思うのです。

( 半分とはいかなくても…多少は… )





「 木を見て、森を見ず 」

こうならないために、学ばないといけないことが

ホント沢山あるなぁと思う今日この頃です。



家と健康の関係。そこをもう少し踏み込んで学びたい。

最近心からそう思います。



それに、、健康という視点だけではなく、、

心地よく住まうということは、、

インテリアとしての居心地のよさにも通じるわけですし、、

色々な想いが頭のなかを、グルグル回ります。。。





新建材の家をつくっていたときに、、

賃貸に住んでいたときに、、

強く強く感じていた矛盾や理不尽さや可笑しさ。



目先だけのデザインって必要??

タイル貼のマンションで素晴らしいエントランスで、、

分譲並みの設備を入れた高級賃貸マンションのサッシが

何故シングルガラスなの??

パッと見はよくて、入居者が入っても、

その後の住み心地が悪ければ、永くは住まない。。

退去時のリフォーム等の立ち合いで、

不動産部門の担当者がポロリと漏らした一言に、

思わずウンウンと強く頷いたこともあったっけ。



そう、入居者ってもっと、本質を観ているのに…

って、感じるコトありませんか?



そんなゴテゴテ飾り立てなくていい。

結露やカビ…がない室内。

ヒートショックの少ない室内。

高級じゃなくてもいいから本物の素材。

デザインは、上品であればシンプルで良し。

そんな住まいがあれば、それが一番競争力になりそうなのにねと、思っていた頃。



だから、まず、自分でそれをつくってみようと、

独立当時、新築分譲マンションから

古くって条件の悪いマンションに買い替えてリノベーションした私達。



無断熱でも、アルミのシングルガラスでも、

全く結露しない心地よさをつくることができるんだよ~ってこと。

都会のいわゆる箱住まいだからこそ、

自然素材をつかう良さってあるんだよ~ってこと。

もっと声を大きくして伝えてもいいのかも…と思ったのでした。



リフォームの相談を請けることは、、、実は、、新築より大変な想いをします。

誤解をしないでいただきたいのですが、、

リフォームではなく、リノベーションなら色々施しようもあるところを

不快な原因が分かっていながら、、

全部に手を施せないリフォームのもどかしさに悩むから。。。



予算も限られている中で、、しかも短期間の中で、、

本質を、施主さんに伝えることができて、きちんと取捨選択できるのか??

結果どんなことをすべきだったのかを、いつもいつも迷い、、苦しむからです。。



でも、こちらも迷いながらですが、

色々なご提案をする中で、施主さんも本質を理解してくださって、

出来るコト出来ないコトを見極めて取捨選択してくださることができたら、、

良い結果を生み出せることも分かっているので、、頑張れるわけで…

弱音は吐けませんが。。(苦笑)



そう、、例え全てにおいてパーフェクトには出来なかったとしても、

リフォーム前に比べて、家での暮らしがホントに愉しくなったと、

仰ってくださるお客さまがいてくださるから頑張れるんですよね(笑)。



色んな価値観があるので、そうじゃないところを求める人も勿論いるので、

同じ価値観を持つ方の住まいを、心地よくしてさしあげたい。。



何の答もない、長~いつぶやき、お付き合いいただきありがとうございました!!







  家での日々の暮らしが心地よく、、

  住む人の幸せに繋がりますように、、

  心を込めて ♪ (出美)






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  最後まで読んでいただき 

  ありがとうございました!



≪ 過去ブログもよろしかったらどうぞ♪ ≫

「 古きを愛でるイギリスの「家と健康」最新事情 」

「 都会の「箱」住まいにこそ自然素材のチカラを♪_芝浦工業大学公開講座のご案内 」

「 「暮らし」を満たす要素_紫色のヒヤシンス 」

Comments [6]

凄い!とても分かりやすく、意図している事、感じている事、考えている事、すべて手に取るようにわかりました。人の文章がこんなにすっと入ってくる。。。これって凄い事だと思います!久しぶりに筆がサクサクですね(笑)

jin様

こんにちは!
コメントありがとうございます♪
つらつらと綴ってしまった文章で ちょっと反省していましたが、、
分かっていただけたこと とても嬉しいです
悩んでいるだけではなく、、答えを導き出す生みの苦しみだと
捉えていただければ幸いかな(笑)
ガンバリマス!!

いいひさん、こんにちは。

長~いつぶやきもたまには、いいんじゃないですか。

>住まいでの暮らしが快適で愉しめたら、、
人生の半分は幸せなんじゃないかって思うのです
>家に帰りたい。家でのんびりしたい。と思うのは、幸せだからだと思いますから。
とても、大切なことだと思います。

小さくて、シンプルなところでも、
自分が居心地がよければ、幸せなんですよね。

確かにここで、価値観の違いは出てきますが
無理に合わせるコトもなく、自然体が一番です。
だんだん、そう言う人達の和が、出来てきますからね。

私も、落ち着ける場所が欲しいですよ。

たかさん様

こんにちは!

>無理に合わせるコトもなく、自然体が一番です。
>だんだん、そう言う人達の和が、出来てきますからね。

たかさんが仰るように、そうなっていくとホントいいですね!!

長~いつぶやきに、、コメントいただきありがとうございました♪

初めまして。
女性建築士ブログからお邪魔しています。

「住まい」ってキレイで便利なだけではないですね。
「自然体が一番」ですね。

私もそういう仕事をしていきたいなぁと思っています。

おさる様

はじめまして!!
コメントありがとうございました♪

>自然体が一番
そうですね。きっと、何事においても…

私も自然体で良い仕事をできるようにガンバリマス♪
今後も、どうぞよろしくお願いいたします♪

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プロフィール

写真:牛尾 出美

一級建築士
牛尾 出美
(ウシオ イズミ)

1973年2月生まれ。暮らしと家が大好きな女性建築士。東京都江東区のリノベーションしたSOHOマンションで住宅設計事務所を運営。
シアワセを感じるコト&モノは、猫・カメラ・旅・花・珈琲・映画・読書♪

いいひ住まいの設計舎 一級建築士事務所

代表:
牛尾圭一、牛尾出美
資格:
一級建築士2名
構造設計一級建築士1名
一級施工管理技士1名
住所:
東京都江東区東陽2-3-1-106
電話:
03-3648-5711
FAX:
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