今日は、英国の不動産事情とイギリス人の住まい観についてのお話を。。
― イギリス人は、家の話が大好き ―
今回参加した視察ツアーのバスの中で、
ロンドン在住のガイドさんが、話してくれた興味深い話題に、
思わず、耳がダンボになったワタシ(笑)。
( わーい!参加して良かった~♪ と、メモメモ ...笑 )
家にかける情熱は世界一と、、本では読んでいたが、、
やっぱりそうなのか。。で、、なぜ???
なぜなら、、イギリスでは 「家」=「資産」だから。。
当たり前じゃない!、、と、笑わないでくださいね。
そこには話の続きがあって、、、
「家」 が自分の資産を増やしてくれる
「 資産運用 」 としての役割もあるから。。
なのだそうです。
( ↑ 写真は、2010年夏、、コッツウォルズでの一枚。)
( 庭の佇まいもと~っても素敵なはちみつ色の家に売り家の看板が...! )
( こんな家を見るたびに、、イギリスのお家事情が知りたくて、ウズウズしていた私 )
▼ イギリスの中古市場とイギリス人的理想の住まい遍歴 ▼
ただ、そう簡単に新築できるようなお国柄ではないので、
当然、中古市場が活発。
その市場、、日本が16万戸に対し、、イギリスは80万戸。
家の評価価値も、、
日本:25年に対して、、
米:50年(日本の2倍)
英:75年(日本の3倍)
と、違うそうです。
またイギリスは、古くから、国民に貸家より持ち家に住むことを推奨していて、、
借りるより、、所有していた方がお得になるようなシステムになっているとか。。
若者も、働きはじめるとすぐに親元を離れ、、自活。
そして、、自分が手の届く範囲の 'フラット'(マンション)購入。
結婚、、子供誕生、、という人生の転機に、 「家」 を住み替えていく。。
子供が巣立つと、夫婦ふたりでは広くなった家をまた売却して、、
最終的には、、カントリーサイドに小さなコテージを持ち、
売却益で得た資金をもとに、のんびりと暮らすというのが、、
イギリス人的な理想の住まい遍歴。。
▼ イギリスの住宅ローン と イギリス的住まい観 ▼
( ↓ 写真、ヒッドコットマナーガーデン近くの、可愛らしいコテージ )
( こんな、美しいカントリーサイドの古くて小さな家ほど人気が高い! )
― 住いというものは、そう急速に変化するものではない。
― 同じ屋根の下で何世代もが生活し続けるのである。
― もしイギリスを象徴するものが何かと問われれば、
― 人はただちにこう答えるに違いない
― それは古いイギリスの民家だ。
( 上記、 イギリスの田園生活誌 デイヴィッド・スーデン著
山森芳郎・山森喜久子訳 より抜粋 )
上記の文章に現れているように、
家は世代を超えて住み継がれて当たり前なもの。
その感覚は、現代においても、同じらしいので、、
日本人の家に対しての感覚とは、大きく違うことを実感します。
そして、日本のように、人生をかけてのローンを組み、
一世一代の大仕事として、家づくりをするようなお国柄ではないよう。。
住宅ローンも、
イギリスは、「 土地+家 =不動産としての価値 」 に対しての融資。
対して日本は、「 人としての信用=返済能力 」 を評価して融資。
言い替えると、、返済能力を人に背負わせないというのでしょうか。。
今は、不動産の価値に対して3倍の融資をつけてくれるそうです。
だから、借りやすく、家に対しての評価も崩れないので、
長期の展望が立てやすい、、という特徴があるそうです。
▼ 古い家ほど価値が高い訳_ヴィクトリアン様式が人気 ▼
あと、、
イギリスでは、、家を持つなら古い家!
古い家に投資するのが利口!
そう、云われているそうです。
なぜなら、、
古いものは、無くなっていく運命で、決して数は増えないこと。
そして古いものには、時を重ねたモノにしかない味わい、、美しさがあり、
そこに、イギリス人は価値を見出すから。。。
なので、新しい家が古い家より価値が上ということは決してなく、
イギリスでは新築の家より、
お金がかかっても住みにくくても、、
古い家の方が、断然、、依然、、人気が高いそうなのです。。
なかでも特に人気なのが、ヴィクトリアン様式の家。
ただ古ければ良いと云う訳ではなく、、
素晴らしい変身を遂げるには、、
元々の土台が良いものであることが、
云うまでもなく、物件を選ぶ大切な選ぶ基準というのは、日本と一緒。
( ちなみに、住宅ローンの融資を受ける際に、
'サーベイヤー'という家の調査をする職業の人に、
徹底的にその素生を調べてもらうことが必須条件。。
このあたりのことは、また別な機会に詳しく書きますね )
ヴィクトリア時代は、英国が地球の1/4を征服した時代。
富...豊かさが凝縮された時代だったので、
建物もシッカリつくられ、、素材も上質、、
間取り空間もよく、、天井が高いのが特徴。
いわゆる素生が良いというのでしょうか...
古くてもリノベーションしやすく人気が高いらしいです。
▼ イギリス的 住宅バブル_ 誰もがディベロッパー?! ▼
近年、イギリスにおこったバブル期には、、
それこそ人生すごろくゲームのように、、
一見、廃屋のようなヴィクトリアン時代の住まいを購入し、
そこをDIYリノベーションして価値ある家に変貌させ、、
驚くような高値がつき売却。。
その後も、、' 住み替え 'で 着実にステップアップし、、、
なんと!!最終的には、南仏にワイナリー付の邸宅を持った。。
と、いう一般人が居たとか。。
しかも、そんなに珍しい話ではない!というから驚き☆
そう、イギリスでも、バブル期には不動産価値はどんどん上昇。
そのバブルの10年間、、誰もがディベロッパーで、、
とにかく、家を転売すれば倍になって売れていったそうです。。
バブルがはじけた今でも、、
ロンドン五輪が終わるまでは、家の値段は確実に下がらないとされ、
まだ、不動産投資は活発。。。
と、ガイドさんは、近年のイギリスの不動産事情を語ってくれました。
▼ 家を愛するイギリス人_家は資産!趣味と実益のDIY ▼
ただ、バブルに乗じた投資 としてではなくても、、
家にこだわって手を加える人はホントに多い!!
家を愛すること、、家での暮らしを愉しむことに関しては、、
イギリス人は、ホ~ントに素晴らしく上手。。
まず、家や庭を愛する心があり、、暮らしを愉しむ基盤がある。。
インテリアを飾り、、庭を手入れし、、メンテナンスを施し、、
誰もが憧れるような家に、価値を高めていく。。
そして、自分に必要な次のステージが来たら、、
価値の上がったその家を手放し、ステップアップしていく。。
と、いうスタイルは、定着しているお国柄のようです。
私が憧れてやまない姿は、こちらですねー♪
イギリスに来るたび、、、いいなぁ~と片想い。。
そのエッセンスを日本の家にも!!と、、、
密かに発奮して帰国するのが常。。(笑)
脱線しましたが、
イギリスでは、人生のステージに合わせて、
住み替えていくのが、当たり前という感じなので、、
当然、次の売却のコトを常に考え、
お金を生み出してくれる'資産'である'家'を、
大切に大切に、維持するそうです。。
イギリス人は、家は住み継ぐものとして捉えているようですし、、
普段の家の住まい方が、イコール、家の価値にも直結するので、、
当然、家の手入れ、、メンテナンスには積極的。
( 実利と趣味を兼ねての家好きな人が多いのも納得! )
なので、日本よりも、ずっとDIYが盛んで、
DIYの指南書も、、ビックリするくらい、本格的。
( ↓ 写真、イギリスのDIY参考書☆ 床貼、壁紙貼はモチロン、電気配線まで! )
▼住まい丸ごと学べる! リノベーションセンター という施設 ▼
だからなのでしょうか。。。
こんなスゴイ施設があるのは...!
「 The National Self build & Rinovation Centre 」
( ↓ ↓ 写真 ザ・ナショナルセルフビルド&リノベーションセンター! )
家を修繕する、、リノベーションする、、家を建てる、、
そんな人々が、建築そのものを学べるセンターがあるのです。
ビックサイトのような展示場に、、
地盤、、基礎、、床、、壁、、屋根、、配管、、外装、、インテリア、、
全てに、実物大の模型や実物展示、、
材料・素材の商品としての情報があり、、
ひと通り見ていくと、どんなふうに家が作られているのかが一目瞭然!
教科書と現場が一体になったような、、羨ましい施設。。
一般の人が、ここで情報を集めて、、技術を学んで、、
DIY、、セルフビルドを実践していける施設なのです!!
このリノベーションセンターの中がどんなふうなのか、、
英国建築病理学の第一人者、
レディング大学マイカ先生の講義内容、、
イギリスにおける住まいと健康の密接な関係、、
そんなことも、また次の機会に ご紹介できたらと思います。。
( ふぅ...ことイギリスの家のこととなると、、
書きたいこと山ほど有りすぎて、、
まとめるのに、時間がかかります~
まとまりきらず読みにくいのは ご勘弁くださいね。。 汗 )
読んでくださった皆さまにとって、
素敵な 'いいひ' が訪れますよう、、感謝をこめて♪
家での日々の暮らしが心地よく、、
住む人の幸せに繋がります。。
心を込めて ♪ (出美)
最後まで読んでいただき ありがとうございました!!
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